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続・バレンタイン大作戦

投稿者:
  • 投稿日:2019/2/11
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コメント

ラ「な~んかさ~、お嬢ちゃんたちがドタバタ大騒ぎしてるみたいよ~?」黒「ん?ああ、アレでしょ、ベイちゃんの手作りチョコレート教室。キッチン中、チョコの甘ったるい香りでムンムンだもん。もうじきバレンタインだから、恋する乙女たちが浮き足立つのも無理ないけど、ベイちゃんもホント面倒見いいわよね~」ラ「とかナンとか言っちゃって~。黒ちゃんだってチョコの作り方、ベイちゃんに手ほどきしてもらったんでしょ?で、どうなのよ?出来ばえのほうは?」黒「あー、うん、それがね…やっぱ彼女として、それなりのモンを作りたいと思って、本格的なザッハトルテに挑戦してみたんだけどね…」ラ「はああっ!?なんでいきなりそんな高難易度にチャレンジすんのよっ!?黒ちゃんソレ、無謀を通り越して蛮勇って言うんだよっ!?」黒「うるさいわねっ!しっかり大失敗したわよっ!!あげく『凝ったチョコレートケーキでなくても、普通に湯せんしたチョコをハート型に流し込んだだけで、きっと旦那様は喜んで下さいますよ!手作りチョコは味や見た目じゃなく、愛情が大事なんですから!』って、遠回しにダメ出しされちゃって…」ラ「あー。地味に効くよね、アレ。なまじ慰められてるって分かる分だけ、心にグサグサくるよね。でもまあ、正直ベイちゃんの言う通り、黒ちゃんがくれるんなら彼氏さん、チ〇ルチョコでも喜ぶと思うよ?うん。慰めにならないの、承知の上で言ってるんだけどさ」黒「そ、そういうあんたはどうなのよっ!?あんたも何か手作りしてるみたいって、ベイちゃん言ってたわよっ!?」ラ「私?私はほら、そんな無茶苦茶ハードル上げないからさ。オレンジ輪切りにしてシロップに漬けて、乾かしてビターチョコかければ出来上がりのオランジェットよ。手間はかかるけど簡単だし、彼氏さんシトラスとか柑橘系大好きだしね。やっぱ、どうせあげるなら、好みに合ったモノをあげたいじゃない♡」黒「くっ…あんたってホント、悪知恵だけはよく働くわよね。なんで人の彼氏の好み、そんなキッチリ把握してんのよっ!?」ラ「ふっふっふ、ファラオの威光に恐れおののくがいいわ!ありとあらゆるデータを収集し、分析し、活用する。それが私の必勝法よ!!この際だからハッキリ言うけど、たぶん私、黒ちゃんより彼氏さんについて詳しいわよ?どんな料理が好きか?どんなゲームが好きか?どんなズリネタが好きか?黒ちゃんがのほほんと見過ごすようなコトでも、私はぜんぶ知ってるもの。まあ、それもこれも『彼女の親友』ポジションっていう、美味しい立ち位置にいるからだけどね。なまじ付き合ってない分だけ、親友というか悪友というか、すごく気さくで心安い関係を築けてるわ。それこそ、黒ちゃんには言えないようなコトでも、私には相談してくれてるしね?」黒「ちょ、ちょっと!聞き捨てならないわね、どういうコト!?いったいあたしにナイショで、ナニを話してるって言うのよっ!?」ラ「そうね~。たとえば『フェラのとき、ついつい夢中になるのか無意識に歯を立ててガブッ!って噛まれるんだけど、一生懸命しゃぶってくれてるから文句も言えない。なんとかチンコの快感はそのままで、痛覚だけキャンセルできるような魔法って無いもんかな?』とか?」黒「…あ、はい。以後気をつけます…って!なに!?あいつ、そんなコトまであんたにペラペラ喋ってんのっ!?」ラ「はいはい、落ち着く落ち着く。いい?この話のポイントは、黒ちゃんが歯を立てるトコじゃなくって、それでも我慢して黒ちゃんの健気さに感謝してる彼氏さん…ってトコだからね?だから私も、ちゃんとアドバイスしといたわよ、彼女の親友として。『耐えるのです。それが愛の証なのです♡』ってね♡」黒「はあ…まったく、大した親友だわ。あたし、彼女として自信なくしそう…」ラ「ナニ言ってんのよ。黒ちゃんが彼女だから、みんな丸く収まってんじゃない。彼氏さんを巡って女同士のガチバトルなんかやらかしたら、まず間違いなく彼氏さんに嫌われちゃう。だからみんな、黒ちゃんを『一番の彼女』として優先権を認めつつ、自分なりのポジションをアピールしてるのよ?たとえばアルなんか、小生意気だけど甘えん坊なお兄ちゃん大好き妹ポジション、しっかり確保してるでしょ?あの子、そういう意味ではすっごくしたたかよ?他にも、優しいお姉ちゃんポジションとか、頼れるメイドさんポジションとか、色々ね。こんな危なっかしくて絶妙なバランス、要になる黒ちゃんが性格良くて、前向きで、彼氏さんを心から信頼してなきゃ成り立ちっこない。だから黒ちゃんは、私たちの代表選手として、思いっきり彼氏さんとイチャイチャラブラブしてればいいの。でなきゃ私たちも、心おきなくバレンタインの手作りチョコ、贈れないからね♡」黒「ううっ、がんばろ。ザッハトルテは無理でも、せめてフォンダンショコラぐらいは作れるようにしよ…」ラ「だーかーらっ!ハードル上げんなって言ってんでしょうがっ!?」