思い出のキャデラック

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永「あ！おーい、こっちこっち！！いや～、助かったわ～。こんな荒野のど真ん中で、ガス欠なんてするもんじゃないわね。オイルショック前のアメ車の燃費ナメてたわ～」そりゃまあ、いきなり帝室専用秘匿回線で『助けて！』とか電話きたら、さすがに飛んできますけどね。もっとも、この炎天下にジェリ缶積んでくる勇気はないんで、最寄りのスタンドまで牽引していきますよ、百キロほど先だけど。それにしてもまた…やたらガソリン喰いそうな骨董品ですねえ？永「…ああ、コレ？別にあたしの趣味じゃないけど、形見なのよ。あたしの恩師で、二人目のダンナだった人の遺品。前の日までランドセルしょってて飛び級で大学生になったあたしを、会ったその日のうちにハメ倒して自分のオンナにした鬼畜ロリコン教授の、ね？」ううむ、なんという言語道断の帝大教授！？ゆ、許せんっ！！（うらやましい）永「本音が股間からダダ漏れよ？まあ、学業でも私生活でも色々と世話になったし、今のあたしの人格形成に多大すぎる影響を及ぼした人だから、感謝こそすれ恨んじゃいないけどね。ただ、まあ…お互い、自分の研究テーマにばっかり夢中になって寝食どころか家庭も家族も置き忘れる、糸の切れた凧状態だったから…案の定、夫婦関係はきっちり破綻したわねえ。とはいえ、夫婦ゲンカの愁嘆場なんてぜんぜん無かったし、離婚調停も済ませて気分がサッパリしたその足で、モーテルにしけこんで夜明けまでハメまくったけどね？いやー、あんときゃ夫婦生活で一番気持ちいいセックスだったなー♡」なるほど、永楽さんが永楽さんっぽくなった、一番の責任者なんですね。それで、その元夫…教授さんがお亡くなりに？永「ええ、なんだか対消滅エンジン実験中の事故で、実験施設のある島ごと吹っ飛んだんだって。文字通り、骨も残さずにね。ホント、あの人らしい最期というかなんというか…学者の死に方としてはある意味で理想形よね。最後の最後まで大好きな実験ができて、宇宙の神秘を垣間見ながら天に召されて…あたしも、できることならそんな死に方がしてみたいもんだわ。ともあれ、それで遺言執行人から連絡があったのよ。別れた元妻のあたしに、ポンコツのアメ車を遺品として遺してるって」それが、このキャデラックですか？永「ええ。それで今日、クルマを引き取りに行ったら、ワイパーにこの手紙が挟んであったの…って、ああそっか、キミまるっきり英語読めないんだっけ？えっとね…『愛する妻、そして出来の悪い教え子へ。君がこれを読んでいるということは、私はもうこの世にはいないのだろう。これでやっと、天国が実在するかどうかこの目で確認できる。私のような天才が地獄に堕ちるはずないからね。そこで餞別といってはなんだが、この車を遺品として君に遺そう。覚えているだろう？君がロストヴァージンした思い出の59年型キャデラック・エルドラドだ。長い長い研究生活、そして短かった夫婦生活。この車で何度も何度も愛し合ったね。この車には、君の思い出とラブジュースが染み込んでいる。だからこそ、君にこの車を贈るのだ。君がこの車に乗るかぎり、君は決して私のことを忘れない。私はいつまでも、君の記憶の中で生きていられる。つまり、永遠の命を得たということだ。愛しているよ、ハニー。いつまでも、永遠に。ああ、それと、何人目だか知らないがハニーの今の夫へ。お別れに、私が好きなピート・ローズのジョークを教えよう。『二人の野球好きの男が、天国にも野球があるかどうか議論していた。一人が死んで、幽霊になってもう一人の男に伝えに来た。良い知らせと悪い知らせがある。良いほうは、天国にも野球はあった。悪いほうは、来週の木曜日に君が投げる予定なんだ』とね。いいかね？貴様もいつかは死ぬ。おそらく75％以上の確率で腹上死だろう。私のハニーを奪った報いだ、地獄に堕ちろ！』…だってさ？どうする？八人目のダンナ候補クン？」…ズルいですよ、永楽さん。そんなハナシ聞かされたら、負けたくないって思うに決まってるじゃないですか！？自分のモノにしたいって思うに決まってるじゃないですか！？昔の男なんか忘れさせてやるって思うに決まってるじゃないですか！！俺、イイ男になりますから！永楽さんが火星に行きたくなくなるくらい…火星に行っても、また俺んとこに戻ってきたくなるくらい！それくらい、イイ男になりますから！！永「よーしよし、良く言った♡男の子なら、これくらい見え透いたハニートラップにもホイホイ乗ってくれないとね～♡んじゃまずは、元ダンナの遺品で濃厚カーセックスしちゃいますか～♡このクルマでぶっ飛ばすたび、キミの極太チンポしか思い出せなくなるくらい♡」.※tamashika様、大変お世話になりました。どうもありがとうございます。